学級経営の極意

学級経営

時を守り 場を清め 礼を正す

時を守り 場を清め 礼を正す」森信三先生の言葉です。このわずか12文字に生き方の基本が集約されているように思います。学級経営ばかりでなく、生徒指導、学校経営にも通じる言葉です。正に「不易流行」の「不易」にあたります。この理念を土台にし、学級経営を行っていきましょう。

時を守る

「時を守る」とは、「時間を守る」ということです。時間は誰にとっても大切です。「時を守る」ということは、自分の時間を大切にするとともに相手の時間も大切にすることです。授業はチャイムと同時に始めたいものです。先生も気をつけたいところです。先生が2分遅刻すれば、子供が30人のクラスの場合、2×30=60分、1時間の無駄な時間ができたと考えられないでしょうか。

また、授業もチャイムと同時に終わりたいものです。授業が長引くと、子供たちの休み時間を奪うことになります。休み時間を保証してあげようと、次の授業の開始を遅らせると、他のクラスに迷惑がかかります。また、子供たちに「時間を守らなくてもよい」という誤学習をさせてしまうことにもなりかねません。提出物の期限も守られないことに繋がるかもしれません。

時間を守る人は信頼されます。時間を守らない人は、他人に迷惑をかけ、人から信頼されません。子供たちを人から尊敬される人に育てたいものです。

ワンポイントアドバイス

  • 遅れてきた子供には、そのまま席に着かせず、必ず、遅れた理由を報告させましょう。
  • 授業中、トイレに行く子供には、休み時間にすませておくように指導して、行かせましょう。
  • 授業はチャイムで始まり、チャイムで終わるようにしましょう。

場を清める

「場を清める」とは、教室の学習環境を整えるということです。学習の場、生活の場である教室を整理整頓し、清潔に保つことです。特に教室は公共の場です。自分の机や家ならば、一時的に散らかっている時もあるでしょう。しかし、公共の場は、常に「場を清める」という意識が必要なのではないでしょうか。

子供たちの中には、「清掃の時間があるから、散らかしてもいいんだ。」と考える子もいるようです。しかし、ゴミをやロッカーからはみ出した体操着を放置しておくと、不思議にさらにゴミは増えていきます。ゴミに対する感覚も麻痺してきます。ひいては、学級崩壊にも繋がりかねません。私の家は道路に面して建っています。ときどき、家の前にたばこのポイ捨てをする人がいます。たばこの吸い殻をとらずに放置しておくと、どんどん増えていくのです。ゴミが放置してある学級は、子供たちがざわざわしている場合が多いです。また、ゴミと同様に机の落書きにも注意しましょう。

環境は心にも影響を与えます。尖った突起物がある部屋で睡眠をとっても、安眠できないという話もあります。同様に、学習環境は子供たちの学習意欲にも影響を与えるのではないでしょうか。「場を清め」とは、お互いが気持ちよく生活するためにとても大切なことです。

ワンポイントアドバイス

  • 掲示物は整然と掲示し、常に剥がれ等がない状態にしておきましょう。
  • ロッカーや机の中は、よく整理されている状態を写真に撮り、見本として掲示しましょう。
  • ゴミ等の落ちてない状態にして、授業に入りましょう。

礼を正す

「礼を正す」この言葉は3つの中で最も重要だと思います。言い換えれば「人が人を人として尊重すること」です。世の中には、男女差別、部落差別、性差別、人種差別など様々な差別がありますが、その根幹は、「人が人を人として尊重できない。」ところから、すべて発しているように思います。いじめや様々な諍いも、人が人を人として尊重することができれば、起きないのではないでしょうか。

礼は礼儀、「礼を正す」とは相手に敬意を表すことです。まずは、挨拶からはじめることだと思います。「挨拶」の「挨」は「挨(ひらく)」という意味です。「挨拶」の「拶」は「拶(せまる)」という意味です。すなわち、心を開いて相手に迫ることです。「挨拶」の意味は心を開いて互いの距離を縮めていくコミュニケーションの基本を表しています。あいさつは、「いてより、つも、きに、づけて」を心がけるとよいでしょう。まずは、先生が手本を示しましょう。

ワンポイントアドバイス

  • 授業の初めと終わりのあいさつをしっかりとさせましょう。
  • 子供たちが礼をするのを見届けてから、先生は礼をしましょう。

 

 

 

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